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最高裁判所第二小法廷 昭和27年(あ)2532号 決定 1953年11月20日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人山崎佐の上告趣意は、末尾添附別紙記載のとおりである。

所論第一、二点について

原判決は、所論指摘の大審院判例と同様反覆継続の意思を以って医行為をすることを「医業」と解している趣旨であって、開業医と同様の場合に至ったという判示は、必ずしも現実に対価を得る必要がないということをいっているに過ぎないものであるから、大審院判例と相反する判断をしていないし、法令の解釈を誤ったものでもない。所論は、理由がない。

同第三点について

原判決の認定は、インターンとしての実地修練の範囲を越えているとしたものであって、右実地修練は、医師法施行規則一一条に規定する場所で行われるべきものであるから、実父の開業している医院で代診として独立して自ら医行為をなす如きが許されないこと明らかであり、原判決に理由の不備は存しない。

同第四、五点について

反履継続の意思のなかったこと補助者の行為であるというようなことは、原審の認定しない事実を主張するに過ぎず上告適法の理由にならない。

よって刑訴四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山 茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 谷村唯一郎)

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